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名古屋地方裁判所 平成5年(ヨ)344号 決定

当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり

主文

一  本件申立てをいずれも却下する。

二  申立て費用は債権者の負担とする。

事実及び理由

第一申立て

一  債務者らは、債権者に対し、債務者らにおいて直接、または債務者らの組合員が所属している工業組合等の団体及び債務者らの組合員を通じて間接にセメントの製造業者及びセメント販売業者らに対し、次項以下の手段を採るなどして圧力をかけ、セメント製造業者、同販売業者が債権者にセメントを販売する行為を妨害したり、債権者がセメントを購入することを妨害したり、または債権者が購入したセメントの運搬を監視追尾するなどして妨害してはならない。

二  債務者らは、債務者らの組合員をして、債権者が使用しているセメントの製造業者及びその販売業者(当該メーカー)に対し、債権者が当該メーカー等のセメントを使用していることを理由として当該メーカーのセメントの共同不買あるいは購入量の減少を行わせ、または債務者らがセメント共同購入事業を行う場合に当該メーカー等を除外しあるいは購入数量等で他の業者との間に不利益な格差をつける等の取り扱いをしてはならない。

三  債務者らは、債権者らが行っている生コンクリートの共同受注、共同販売事業において、債務者らの組合員中当該メーカーが出資している組合員(当該組合員)に対し、債権者が当該メーカーのセメントを使用していることを理由として出荷数量割当、取扱数量割当を減じ、あるいは右数量割当の自主返上を行わせるなどの制裁措置を講じてはならない。

第二事案の概要

本件は、セメントを原材料として生コンクリート(生コン)の製造販売を行う債権者が、生コンの製造販売業者を組合員として組織する債務者名古屋生コンクリート協同組合(名古屋協組)及び同北勢生コンクリート協同組合(北勢協組)に対し、債務者らが、自組合員の利益をはかるために、非組合員である債権者のセメント購入を、セメント製造販売業者に対し共同不買の圧力又は当該セメント製造販売業者と資本的関連のある系列生コン製造業者が債務者らの共同販売事業について組合員として受ける出荷割当を減ずる等の圧力をかけて妨害しているとして、営業権に基づき妨害行為の差止めを求めたものである。

なお、債権者は、平成2年3月14日、債務者ら外6名を被告として訴えを提起し、当庁平成2年(ワ)731号私的独占禁止法違反行為差止等請求事件(本件訴訟事件)として係属中であるが、右事件の請求の内容は、債務者らに対し生コンの不当廉売の禁止及び建設業者に債権者との取引をしないよう圧力をかけることの禁止、債務者北勢協組に対しセメント製造販売業者に債権者との取引を拒絶させることの禁止並びに債務者ら外6名に対し損害賠償を求めるものである。

一  紛争に至る経緯等

1  債権者は、生コンの製造販売を業とするものであり、昭和34年に設立され、昭和47年に債務者北勢協組が設立された当時の組合員であったが、昭和51年に自己破産の申立てにより津地方裁判所四日市支部で破産宣告を受け、その後、昭和55年12月に事業を再開し、強制和議も認可された(甲57)。債権者は、昭和56年1月以後、債務者北勢協組への復帰を求めて交渉を行ったが、同債務者との間で協議が調わず、同債務者への加入はせず(甲50、51、58の1)、平成2年に既存の生コン協同組合に所属しない生コン製造業者を組合員として設立された愛知県生コンクリート協同組合の組合員となった(甲55の1)。

2  債務者名古屋協組及び同北勢協組は、中小企業等協同組合法に基づき生コン製造販売業者を組合員として組織され、組合員の取り扱う生コンの共同受注、共同販売等及びこれらに付帯する事業を行うことを目的とする協同組合である(争いがない。)。

3  生コンは、固定の製造設備を用いてセメントを練り混ぜ、これをコンクリートミキサー車により建設等の現場まで練り混ぜながら運搬し、現場で打設するコンクリートであり、日本工業規格により練り混ぜ開始から一定時間以内に打設が行われるよう定められているため、供給範囲が限定され、在庫ができず、需要が不安定である一方、新規参入が用意で、慢性的な過剰設備状況にあった。そこで、通産省は、昭和51年2月、生コン工業近代化のための6項目を策定・発表し、生コンの安定供給のため、組合の組織化と共同販売の推進を指導し、都道府県単位で生コン工業組合の組織化が進み、各工業組合において、中小企業近代化資金等助成法及び中小企業近代化促進法に基づく過剰設備の廃棄を骨子とする構造改善事業を行い、地区毎では中小企業等協同組合法に基づいて組織された協同組合において生コンの共同販売事業を行っている(甲7の1、乙12、13)。

4  債務者北勢協組は、昭和56年から57年までの間、調査会社をして、債権者の生コン出荷量を調査させた(争いがない。)。

債務者名古屋協組は、平成5年3月12日、同協組の組合員である生コン製造販売会社の従業員をして、債権者のためにセメント等の材料輸送を行う有限会社タイガーエクスプレスが、債権者が購入したセメントを住友セメント彦根工場から搬出して運搬する際、そのセメント運搬用車両を追尾させた(争いがない。)。

二  債権者の主張

1  債務者らは、自組合員と競争関係に立つ債権者の営業活動を妨害するため債権者がセメントを購入することを不可能にして、債権者の生コン製造設備をいわゆる「立枯れ」(セメントが供給されないため稼働できない状態)にしようと企図し、債権者にセメントを供給するセメント製造販売業者からは債務者らの組合員はセメントを購入しないとの共同不買を予告し、又は債権者にセメントを販売した製造販売業者に対する制裁として、そのセメント製造販売業者と資本的関連のある生コン製造業者(系列生コン業者)が債務者らの組合員として共同販売事業について受けている発注割当を返上させる(自主的に返上した形をとる場合も含む)などの圧力をかけて、債権者との取引を拒絶させている。

2  債権者は、債務者らの妨害行為により、昭和55年12月の営業再開後、セメント仕入れに支障をきたし、袋詰めされておらず簡易・大量に搬出入できるバラセメントをセメント製造業者の特約販売店から自社の名で直接買い受けることが不可能となっており、小口需要家向けの袋セメントを遠方のセメント販売店から買い集めることを余儀なくされたり、現在でも、セメントは過剰在庫商品であるにもかかわらず、債権者からの新規取引の申込について、いずれのセメント製造販売業者からも拒否されている。

また、債権者のセメント購入先が判明すると、債務者らが購入先のセメント販売業者に圧力をかけて債権者との取引を停止させるため、セメント購入先を明らかにできず、製造した生コンの納入に際しても、セメント製造元の発行する品質保証となる試験成績表(ミルシート)は、そのコードナンバーから購入先が判明してしまうため、添付することができず、納入の際には、個別の品質保証証明を作成しなければならないなどの多大な損害を被っている。

3  債務者北勢協組が、昭和56年から57年までの間、調査会社をして債権者の生コン出荷量を調査させたこと、及び債務者名古屋協組が、平成5年3月12日に、債権者のセメント運搬用車両を追尾したことは、いずれも債権者のセメント購入先をつきとめ、購入先が判明した場合には、そのセメント製造販売業者にたいし、債権者との取引を中止するよう前記1のとおりの方法により圧力をかけ、その後の債権者に対するセメント供給を停止させる目的で行ったものである。

三  債務者らの主張

1  (債務者ら)

債権者の事業再開後、その生コン製造販売量は順調に増加しており、債務者らによるセメントの購入妨害の事実はない。

2  (債務者名古屋協組)

(一) 債務者名古屋協組が、債権者のセメント運搬用車両を乗用車で追尾したのは、債権者と債務者らとの間に係属中の本件訴訟事件の裁判資料収集の目的で、債権者の工場に納入されるセメントの製造元を調査するためにしたもので、違法行為に当たらない。

また、債務者名古屋協組はセメントの共同購入は行っていないから、共同不買、又は共同購入の際に不利益な格差をつける等の行為はできない。

(二) 債務者名古屋協組が、債権者のセメント購入を妨害したことはなく、債務者名古屋協組からの除名に関し訴訟となっている申立外みずほコンクリート株式会社も、非組合員であることによりセメント購入に支障をきたすことはないとしている。

3  (債務者北勢協組)

債務者北勢協組は、昭和59年以後は、債権者の出荷量等について何らの調査も行っておらず、セメント製造販売業者への取引拒絶の圧力もかけていない。

第三当裁判所の判断

一  本件疎明資料によれば、以下の各事実が一応認められる。

1  債権者の事業再開後の昭和56年ころは、債権者が生コン協同組合の非組合員であること及び過去に破産した会社であることを理由として、セメント製造販売業者から、バラセメントの納入を拒絶され、小口需要家向けの袋セメントを購入して生コンを製造していたが、袋セメントについても債権者の自社名では買えなかった。その後、昭和57年1月ころ、株式会社草間生コンからバラセメントを購入することが可能となったが、同年10月以降は、同社もセメント製造業者からの供給を停止され、債権者への供給が停止されるに至った(甲57、58の1)。

2  債権者及び愛知県生コンクリート協同組合は、平成2年6月から7月ころ、現金取引を条件として、複数のセメント製造業者の名古屋支店に対しセメント購入を申入れたが、新規取引に応じた業者はなかった(甲55の1ないし3)。

また、平成5年以降、需要の落ち込み等により、セメント製造業者は過剰在庫を抱えている状況にあるが(甲65の1ないし17)、債権者が、平成5年6月ころ、複数のセメント販売特約店に、現金取引を含む新規取引を申入れたが、組合との関係等を理由に、いずれも応諾されなかった(甲62)。

3  平成3年8月末ころ、有限会社タイガーエクスプレスのセメント運搬用車両が、住友セメント桑名サービスステーションに入庫するための通行証となるゼッケンを車体に取り付けようとしたところ、乗用車から氏名不祥の男に写真撮影された後、右乗用車に追尾されたが(甲1の1)、その後まもなく住友セメントから、債権者に対し、債務者名古屋協組に見つかったから右サービスステーションからのセメント供給はできないとして供給を止められ、債権者は、住友セメント彦根工場からセメントを仕入れることとなった(甲3)。

4  公正取引委員会の申立外愛知県生コンクリート工業組合に対する昭和61年3月28日付けの審決において、債務者名古屋協組の調査審議会が、昭和54年11月ころ、住友セメントに対し、同社が生コン製造事業に新規参入した建材販売業者にセメントを供給したことに対する責任追及として、債務者名古屋協組の組合員で住友セメントの系列生コン業者である中京生コン稲沢工場の出荷割当を減ずるとの決定をしたこと、及び前記建材販売業者に対する住友セメントのセメント出荷停止が同債務者の申入れに基づいてされたことの各事実認定がされた(甲10の2)。

5  債務者名古屋協組は、昭和62年9月ころ、名古屋市が建設する白鳥ミュージアムプラザの工事を請け負った共同企業体の構成員の大成建設株式会社が、当該工事に要する生コン約5万5000立方メートルの納入を債権者に発注したことにつき、同債務者の組合員の生コンを使用しないことを理由として、大成建設が施工する他の工事現場に対する組合員の生コン納入を停止した。その結果、大成建設の工事が施行不能に陥り、同社は債権者との生コン納入契約を破棄するに至った(甲27、29ないし38、40、56の1、2)。

二  (被保全権利について)

そこで、前記認定事実に基づき、債務者らが、現在、セメント製造販売業者に対し、共同不買若しくは系列生コン業者に対する組合員としての出荷割当を減じる等の圧力をかけて債権者との取引を拒絶するよう要求し、債権者に対する営業妨害行為を行っている事実が認められるかどうかにつき検討する。

1  前記認定事実のとおり、債権者は、昭和56年以降、小口需要家向けの袋セメントを原料として生コンを製造することを余儀なくされたり、セメント仕入先からの取引打切りによりセメント仕入先が転々とするなどしており、また、いまだに仕入先を明らかにして公然とセメントを購入することができず、セメントの新規取引をセメント販売特約店に申し込んでも、応諾されない状態にある。

2  そこで、セメント製造販売業者の債権者との新規取引の拒絶が債務者らの妨害行為に基づくか否かについてみると、セメント製造販売業者にとって、生コン業界はセメント需要の大きな割合を占める主要なセメント販売先で、生コン価格の安定を図ることが、セメント価格の安定につながること、及びセメント製造業者自身、セメントの販売分野の過当競争を防止することによりセメント価格の安定を図る利益があること、また、系列生コン業者を設立して生コン製造事業に進出している者も多いこと、さらに、従来から取引関係のある生コン製造業者との信頼関係を維持する等の理由に基づき、独自の判断として、新規取引については慎重となることが考えられる。一方、前記認定のとおり、セメント業界はセメントの過剰在庫をかかえているため、セメント製造業者間の販売競争も激化しているものと推認され、結局、新規取引先から受注があった場合には、個別にセメント供給に応ずるか否かを慎重に判断することになるものと認められる。

そうすると、本件記録上、債権者の営業再開後昭和57年ころまでの間は債権者のセメント購入が困難であったこと、及び現在でも債権者の新規取引の申込に対し、セメント製造販売業者が応じないことは、債務者らがセメント製造販売業者に圧力をかけたことによるものか、セメント製造販売業者の独自の判断に基づくものであるかは不明である。

3  一方、現に債権者との取引を行っている住友セメントについては、みずからの判断に基づき債権者との取引を開始したものと認められるところ、前記一3のとおり、平成3年8月末ころ、住友セメント桑名サービスステーションから、有限会社タイガーエクスプレスのセメント運搬用車両がセメントを輸送しようとした際、乗用車から氏名不詳の男に写真撮影され、その後まもなく、住友セメントから債権者に対し、債務者名古屋協組に見つかったから供給できないとして、右サービスステーションからの供給を止められた事実が認められる。

この事実と、債務者名古屋協組が、前記一4及び5のとおり、公正取引委員会の審決においても過去にセメント製造販売業者に対し、非組合員である生コン製造販売業者にセメントを納入したことを理由として、系列生コン業者に対する出荷割当を減ずるとの圧力をかけた事実があったとの認定がされたこと、及び昭和62年9月ころ、同債務者が各組合員を含め組合全体で、債権者と生コン納入契約を締結した建設業者に対する生コン納入を停止し、債権者との契約破棄を要求して債権者の営業妨害行為をした事実を併せ考えると、同債務者は、平成3年8月ころ、住友セメントに対し、系列生コン業者に対する出荷割当を減ずるとの圧力をかけて債権者に対するセメントの供給を打ち切るよう要請したものと推認することができ、このように、セメント製造販売業者に、系列生コン業者に対する発注割当を減ずる等の圧力をかけて、債権者との取引をしないよう求めることは、債権者の営業活動に対する違法な妨害行為にあたるものと解される。

なお、債務者名古屋協組は、平成3年8月当時、そのような圧力はかけたことがないと主張し、これに沿う疎明資料も存在するが(乙18)、右資料の作成者は同債務者の組合員で、同債務者から発注割当を受けて生コンの製造販売を行う立場にあり、同債務者と密接な利害関係を有する者であるから、これを採用することはできない。また、債務者名古屋協組は、申立外みずほコンクリート株式会社は、非組合員であってもセメント購入に支障はないとしているとし、これに沿う疎明資料も存在するが(乙17)、債権者は長年にわたり非組合員として同債務者の組合員と競争関係に立って営業活動を行っているものであるのに対し、前記みずほコンクリートは、同債務者の組合員としての地位の存否につき争っている状態でその立場において全く異なっているから、非組合員であっても、一般的にセメントの購入に支障はないとする同債務者の主張を認めることはできず、同債務者が債権者のセメント購入を妨害したとの事実認定を覆すものではない。

4  そして、このように平成3年8月ころにも債権者のセメント運搬用車両を追尾して仕入先を突き止めた上、購入先の住友セメントに圧力をかけたと認められる債務者名古屋協組が、平成5年3月12日に債権者のセメント運搬用車両を住友セメント彦根工場から追尾したことは、現在の債権者のセメント仕入先を特定して、当該仕入先に対し、債権者との取引を打ち切るよう要求する目的に出たものと一応認めることができる。

債務者名古屋協組は、債権者のセメント運搬用車両を追尾したのは本件訴訟事件において債権者の使用する原料セメントの製造元が争点になっているからであると主張し、これに沿う疎明資料も存在するが(乙1の3、4)、本件訴訟事件の係属は平成2年3月であり、その後、遅くとも平成3年8月には、前記のとおり、同債務者は、債権者が住友セメントを購入していることを知ったものと認められ、本件訴訟事件との関係では、白鳥ミュージアム建設工事の当時、債権者が住友セメントを使用していた可能性につき、債権者が、公然とではないが住友セメントを購入していることが判明すれば十分であり、それ以上に、その後、債権者が搬出先を変更して供給を受けることとなった住友セメント彦根工場との取引を調査しても、白鳥ミュージアム建設当時の債権者の住友セメントの購入量は判明しないから、現時点において債務者名古屋協組が債権者のセメント運搬用車両の追尾を継続する理由にはならないといえる。

5  債権者は、債務者名古屋協組がセメント製造販売業者に対し共同不買の圧力をかけて債権者との取引拒絶を要求している旨主張するが、右事実を認めるに足りる疎明はない。

6  債務者北勢協組については、前記2のとおり、債権者のセメント購入が困難であったことが同債務者の妨害行為に基づくものと認めるに足りる疎明はなく、現在、同債務者が、債権者のセメント購入の妨害行為を行っている事実を認めるに足りる疎明はない。

三  (保全の必要性について)

そこで、債務者名古屋協組に対する関係で、本件保全の必要性につき検討するに、債権者は、その営業内容として、生コン出荷販売実績量を増加させてきている傾向にあり、平成元年度の実績では年間約18万9000立方メートルなどとなっている(乙9)ことからすれば、それに見合う生コン材料のセメントは、仕入先を明らかにすることができない状況ではあるが、確保できていると認められる。

そして、現在債権者が住友セメント彦根工場からセメントの供給を受けていることは、債務者名古屋協組に明らかとなったから、同債務者が住友セメントに圧力をかけて債権者との取引中止を求めるおそれが認められることは前記のとおりであるが、平成3年8月に住友セメント桑名サービスステーションからのセメント供給が同債務者に判明し、同債務者から住友セメントに対し債権者との取引停止が要求されたと認められる以後も、住友セメントは債権者との取引を停止しなかったものと認められる。そうすると、債務者名古屋協組が現在の仕入先である住友セメントに圧力をかけて取引中止を要求したとしても、同社が、ただちに要求に応じて債権者との取引を取り止めるものとは認められない。

したがって、本件については、債務者名古屋協組に対し、本件仮処分を命ずる必要性があることの疎明は十分でないというべきである。

第四  以上のとおりであるから、本件については、債務者名古屋協組に対する関係では保全の必要性の疎明がなく、債務者北勢協組に対する関係では被保全権利の疎明がないので、本件申立てをいずれも却下することとし、主文のとおり決定する。

(裁判官 矢尾和子)

別紙 当事者目録 省略

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